数学的確率が持つ本当の意味とは? [統計的確率]
★大数の法則について
数学的確率と統計的確率のことについてもう少し書いていきます・・・。
1枚のコインを投げて表が出る確率は 1/2 です。
前回の記事でも説明しましたが、 これが、数学的確率です。
しかし、実際にコインを投げてみればわかるように、コインを2回投げれば、
そのうち1回は必ず表が出るわけではありません。
5回連続で表がでる事もあります・・・・。
では、1枚のコインを投げたときに表が出る 1/2 という数学的確率は何を意味しているのか?
これは、2回のうち1回という意味ではなく、
何度もコインを投げた結果を平均すると2回のうち1回の割合になるということを意味しているのです。
1枚のコインを投げた時、10回のうち7回表が出た時点での表が出た確率は、
7/10 です。
これが、統計的確率です。
このように、統計的確率は、実行する回数が少ないと、数学的確率どおりにはならない事のほうが一般的です。
ところが、コインの投げる回数を何百回、何千回、何万回と、
どんどん増やしていくに従い、 表の出る割合は数学的確率である,
1/2 に限りなく近づいていく。
このように、あることの実施回数を増やせば増やすほど、
統計的確率が数学的確率に近づいていくことを、
「確率の大数の法則」 と言います。
これは、あることを実際に何度も繰り返し実施してみたら、
それはそのことが起きる確率は、理論的に出した数学的確率に近くなるということです。
数学的確率と統計的確率 [統計的確率]
★理論的な数値と結果から出された数値
1枚のコインを1回投げた場合を考えてみてほしいんですが、
コインには表と裏があるので、コインを投げた時に起きる結果の可能性は、
表が出るか、裏が出るか、2つの結果のうちのどちらか1つである。
よってコインを1回投げた時に、表が出る確率は、2つの可能性のうちの1つだから、
1/2 になる。 こうした考え方から出した確率のことを、
「数学的確率」 と言います。
サイコロなら、1つの目がでる確率は、6通りの出方のうちの1つだから 1/6 になる。
ジョーカーをのぞいたトランプ52枚からハートのエースのエースを選ぶ確率は、
1/52 になる。
単にエースを選ぶ確率なら、4/52 (1/13)になります。
これらは、すべて数学的確率です。
一方、1枚のコインを10回投げた時に、そのうち7回表が出たとすると、
出た確率は、7/10になる。
この確率のことを 「統計的確率」 と言います。
野球中継でよく見かける確率に打率がありますが、
バッターが100打席のうち30本ヒットを打っていれば、打率は3割になります。
このバッターがヒットを打つ確率は 3/10 だということです。
これも統計的確率です。
要するに、数学的確率というのは、理論的に出した確率であり、統計的確率というのは、
実際の結果から出した確率ということです。